たのしい新潟弁
巷では「今すぐ使える新潟弁」など方言ブームとも言える昨今ですね。
ただ村上でもそうですが、周辺の町村の人たちが村上市に移り住むにつれて、
本来の村上弁というものが失われつつあるようです。
昔から村上に住んでいる人に言わせれば、今の村上弁は村上弁じゃないと…。
おそらくこれは村上に限ったことではなく全国的に言えることだと思います。
でも言葉というものは時代の経過によって変化してゆくものですから、
あまり大げさに考えなくても良いのかも知れませんね。
このページでは普段良く使われる新潟弁を、実際の用法を交えながら50音順にご紹介致します。
ただしあくまで一般的なものであり、正式な文法や用法に基づいたものではありませんし、
ごくピンポイントで使われる言葉も含まれていると思います。
また県内の面白い方言をご存知の方やご感想は 掲示板 までお寄せください。
あっぱ、あっぱんじょ
記念すべき第一弾は「あっぱ」「あっぱんじょ」です。最初から下品でスミマセン。
「あっぱ」とは「ウンコ」のこと。「あっぱんじょ」とは「便所」のこと、または汲み取り業者のことをいう場合もあります。
「あっぱんじょの車」といえば「汲み取りの車」という意味になります。
あめる
頭がハゲることを意味します。「あの、あめオヤジ」といえば「あのハゲオヤジ」という意味です。
あんにゃ、あにゃさ
長男のことを意味します。「あんたんとこのあにゃさ、どこに勤めてなさんね」といえば、
「あなたの家のせがれ(長男)さんはどこに勤めているのですか」という意味になります。
長女の場合は「あね」というようですが、アクセントは「あ」の方に来るので「姉」と容易に区別することが可能です。
「い」と「え」
新潟では「い」と「え」の区別が非常につきにくくなっています。
「越後のイチゴ」が「いちごのエチゴ」といったように発音されることがあります。
実際総菜屋で「イビフライ」と書かれているのを見たことがありますし、
どこかの町内のゴミ置き場には「もいるゴミ」「もいないゴミ」なんて書かれていたとうい話も聞えてきました。
「えんぴつ」を「いんぴつ」と発音することなどは定番中の定番です。
学校の掲示板に「ゴールデンウェーク」と書かれていたので「ゴールデンウィーク」と書き直しておいたところ、
翌日にはまた「ゴールデンウェーク」になっていたこともありました。
でも「椅子」を「えす」と発音するのは聞いたことがないので、用法が限定されているようです。
先日のテレビのニュースの中でインタビューされた人(複数)が「全員(ぜんえん)の帰国を目指して・・」と言っていたのが印象的でした。
いごく
「動く」のことを意味します。
「バスがいごく」「電車がいごく」という使い方をします。過去形は「いごいた」。
いててば!
人にたたかれたりした時に思わず発する言葉です。
「痛いじゃないか!」という意味になります。
〜いね
「〜ですよ」という丁寧な表現です。
「私がやりますいね」といえば「私がやりますよ」という意味で、非常に柔らかい表現になります。
おおばら
大きな腹のことではありません。
ものを散らかしっぱなしにしている状態を指す言葉です。「部屋がおおばらだ」というふうに使われます。
おじ
次男のことを意味しますが、アクセントが「お」に来るために、「おじさん」と区別することが可能です。
「あんたんとこのおじ、いくつんなったね」といえば、「あなたの家の次男は何歳になりましたか」という意味です。
次女のことは「おば」と言いますが、やはりアクセントは「お」の位置に来ます。
おちる
電車、バスなどから「降りる」こと。初めて聞いた人はかなり驚くそうです。
電車やバスの場合はまだましですが、飛行機が着陸することを「飛行機がおちる」と言う人がいるのはシャレにならない気がします。
おもしぇ、おもっしぇ
「おもしろい」という意味です。
「おもしろいなあ」は「おもっしぇのぉ」、
「おもしろくないなあ」は「おもっしょねぇのぉ」、「おもしろいだろう」は「おもっしぇろぅ」となります。
おらこ、おらとこ
「わたしの所」「わたしの家」という意味です。
「あなたの所」「あなたの家」の場合は「おめこ」となり、関西方面での放送禁止用語と全く同じ表記になりますが、
アクセントが「めこ」の位置に来るので、区別することが可能です。
かすおじ
末っ子のことを意味しますが、特に人数の多い兄弟の一番下の男の子のことを指す場合が多いようです。
かめ
文明開化のころ外国人がたくさん上陸し、犬を見つけては「ヘィ・カメン」と言っていたそうです。
それを見た日本人が「外国では犬のことをカメっていうんだな」と勘違いし、犬のことを「かめ」というようになったそうです。
実際に使っているのは聞いたことがありません。
余談ですが、犬の名前に多い「ポチ」という名前は、フランス語で小さいという意味の「プティ」から来ているという説もあります。
きなし
「気がつかなかった」「想像もしていなかった」というような意味に使われます。
「あんな場所に店があったなんて、きなしだった」というように使われます。
きろみ
たまごの「黄身」のこと。「しろみときろみ」という使い方をします。
きんか
年をとって耳が遠くなった人や、わざと聞えないふりをしている人を意味します。
ただし差別用語として使われる場合もありますので要注意です。不用意に使わない方が良いでしょう。
くっせ
「臭い」という意味。「くっせー、おめ、へーこいたろー」といえば「くさい!おまえ、へーこいただろう」という意味。
くんなせや
「〜してください」「〜してくださいませんか」という丁寧な表現のときに使用します。
「ぜーごから来たんすけ、こーてくんなせや」といえば、
行商の人などが「ざいご(田舎・郊外)から来たので、買ってくださいませんか」という意味になります。
ものを買うときにも「これ、くんなせや」というように使用します。
こげる、こーげる
汚れなどを、ヘラ状のもので削り落すことです。ヒゲをゾリゾリ剃り落とす際にも使用されます。
ごーじゅえん
「五十円」のこと。「二十円」のことは「にーじゅえん」という。新潟人は「ごじゅうえん」などとは言いません。
こちょばす
「くすぐる」という意味。「くすぐってっけぇ、こちょばすなぃやぁ」といえば「くすぐったいから、くすぐるなよ」という意味になります。
しかも
とある日曜の昼下がり、白新線新発田行き電車が新潟駅を発車し、阿賀野川に差しかかった時の出来事である。
観光客風の男性が、地元の人と思われる中年の女性に話しかけている。
男「広い川ですねえ、何と言う川ですか?」
女「はあ、阿賀野川ですがね」
男「あがのがわって言うんですか、魚もたくさんいるんでしょうねえ」
女「しかも、いっぺこといますいね」
男「えっ?鹿もいるんですか?」
女「おめさん、なにゆーてあんだね。川に鹿なんているわけねーろがね」
男「だって今、鹿もいっぱいいるって言ったでしょ?」
女「おめさんが、魚もいっぺこといるろって聞くすけ、
しかもいますいねって答えたんだがね」
男「だから鹿もいるんでしょ?」
女「わからん人らね、川に鹿なんているわけねーろがね、あっち行きなせ」
このように「とても」や「非常に」という意味に使われます。
新潟弁としては「なじらね」と共に基本中の基本です。
ぜひどこかのテレビ局で、実際の列車内でこんなロケでも行なって欲しいものですね。
じさ、じさま
本来はおじいさんのことを意味しますが、若いのに年寄りくさい男の人のことを言うこともあります。
「あの人は、じさまくっせ」といえば、「あの人は、じいさんくさい」という意味になります。
しゃっつける
「殴る」「たたく」といった意味に使われます。「しゃっつけっろー」といえば「たたくぞ!」という意味です。
しゃべちょこき
おしゃべりな人のことを言います。「あの人はしゃべちょこきだ」
しんきゃねぇ
「〜しなくちゃいけない」という意味です。
「しねばねぇ」「しんばねぇ」「やらねばねぇ」「やらんばねぇ」など、様々なバリエーションがあります。
「しなきゃならない」を省略して「しなきゃない」という場合も多いです。
だすけ、だっけ
「だから」という意味です。
「だっけ、ゆーたねっか」といえば「だから言ったじゃないですか」という意味になります。
ちょす
物をいじること。「ちょすな!」といえば「いじるな!」という意味です。
ちょんぼ
ズバリ男性器のことを意味します。
失敗したときに使う「ちょんぼ」は「ちょ」にアクセントが来ますが、
この場合は「んぼ」にアクセントが来ます。
昔、ドリフのコントを見ていて、マージャンのシーンで加藤茶が「オー、チョンボ」と言ったときには焦りました。
おそらくアクセント次第では新潟では放送禁止になるのではないでしょうか。
女性器のことは「まんじょ」と言います。
どーしょば
困り果てたときに思わず発する言葉です。
「どーしょば、こまったて」といえば「どうしよう、困ったなあ」という意味になります。
なく、ないてる
「飴がないてる」といえば飴が溶けて包み紙にくっついているような状態を表わします。
なげる
「捨てる」という意味です。
「ゴミをなげる」といえばゴミを捨てることを意味し、決して不法投棄するという意味ではありません。
なじらね
「どうですか」「いかがですか」という意味で、かなり広い意味に使用されます。
新潟の朝市を訪れた観光客が、露天のおかあさんたちがみんな「なじらね?」と聞いてくるので、
なんでみんな時間を訊ねてくるんだろうと不思議に思ったそうです。
これは商品を「いかがですか?」という意味ですが、「具合はなじらね?」というふうにも使われます。
なす
「弁償する」という意味です。
「ぼっこしたん、なせよ」いえば「壊したのを弁償しろよ」という意味になります。
に、にい
「におい」のことです。
「いいにがする」といえば「いいにおいがする」という意味になります。
ねそける
寝そびれることを言います。
「寝る前にコーヒー飲んだらねそけてしもて、朝までねらんねかった」というように使用します。
〜ねっか
「〜したじゃないですか」というような意味で、非常に頻繁に使われます。
「おめ、さっき、そーゆーたねっか」といえば、「おまえ、さっき、そう言ったじゃないか」という意味になります。
乱暴にいう場合は「〜ねっけぇ」となります。
ねっかねか
「べたべた」「べとべと」というようにものが粘りついている様子を表わします。上記の「〜ねっか」とは全く別の意味です。
ばか、ばーか
「馬鹿」のことではありませんが、標準語の「ばかでかい」や「ばか正直」の「ばか」とほぼ同じ意味に使われます。
「とても」や「非常に」という意味ですが、「しかも」よりも強い意味に使われるようです。
「ばーかいっぺこと」と言えば「ものすごくたくさん」という意味になります。
「ばーか、んーめねか」といえば「ものすごく美味しいね」という意味です。
はたく、はったく
「たたく」という意味です。掃除用品の「はたき」ととても似た意味に使われます。
「そんな、はったいてばっかいて、ぼっこすなよ」といえば「そんなにたたいてばかりいて壊すなよ」という意味です。
ぶちゃる、べちゃる、びちゃる
「捨てる」という意味ですが「なげる」よりも強い感じで、
使い物にならないものや、汚いものを捨てる場合に多用されます。命令形は「ぶちゃれ」になります。
ふーりがん
サッカーの試合で暴れる「フーリガン」のことではありません。
「ふーり」とは「古い」という意味で、「がん」とは中越方面で「もの」という意味によく使われます。
「あたらしがん」「ふーりがん」というように使われます。
へなか
「せなか」のことを意味します。ただし県北部の一部の地域に限られるようです。
以前「アップダウンクイズ」というクイズ番組に○○村の人が出場したとき、
「最初に”へ”がつく体の部分は、”へそ”と、もう一つはどこでしょう」という問題に対し、
その人は「へなか」と答えたのです。当然不正解ですが、
そのあと小さな声で「しまった、へんじゃかぶだったかなあ」と言ったそうです。
「へんじゃかぶ」とは「ひざかぶ(ひざ小僧)」のことです。
この逸話は、私の周辺地域の人たちはほとんど知っている有名な話です。
ぼっこす、ぼっこれる
「壊す」「壊れる」という意味です。
みよける
鳥などが卵からふ化することです。
もしかあんにゃ(もすかあんにゃ)
もしも兄がいなかったら…、もしも自分の方が先に生まれていたら、自分が長男になっていたかも知れない、
つまり「もしかすると、自分が長男(あんにゃ)になっていたかもしれない」という意味で、
次男のことを「もしかあんにゃ」というようになったようです。
もぞこき
だだをこねたり、意味のわからないことばかり言っている人を指します。寝言を意味することもあります。
もちゃくる
書類などを丸めてぐちゃぐちゃにすることを意味します。
「もちゃくって捨てれ」というように使用します。
よむ、よんでる
果物が熟している様子を表わします。「〜の実がよむ(よんでる)」というように使います。
〜ろう
「〜しただろう」とか「〜言っただろう」などの「だ」は、新潟では省略されることが多く、
「〜したろう」とか「〜言ったろう」というようになります。
ろ!
相手を怒鳴るときに使う「この野郎!」と同じ意味に使われます。
「ろ!」「ろー!」というように使用します。
んーめ
「うまい」「美味しい」という意味です。「うんめ」ともいいます。
「んーめかった」といえば「美味しかった」という意味ですし、「んーめのぉ」といえば「美味しいなあ」という意味になります。
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